長女がこの六月に大学を卒業した。就職先は決まっていないのだが(日本と同じく米国も就職難)、音楽を専攻した彼女は、もう一年大学に戻って教職課程を取り、教育実習をするらしい。 わが家は、子どもの進路に関してはかなり放任である。手伝ってあげたいのはやまやまなの ...
カテゴリ:いのちのことば誌連載
急がない生活
『心の刷新を求めて』 (あめんどう)の著者、ダラス・ウィラードが、去る五月八日早朝、主のもとに召された。享年七十七歳。つい数日前に、〝ステージ四”のすい臓がんであることが公にされたばかりのことだった。ウィラードは、霊的形成に関する数々の書を著し、また南カリ ...
すべての真理は主のもの
夕べ、大学で心理学を学んでいる次女から「スティーブン・ピンカーが書いた記事を読んで、なるほどと思ったのだけど、クリスチャンの立場からこれを論駁することはできるかなぁ」とメールが来た。 スティーブン・ピンカーとは、米国の著名な認知心理学者で、近年では進化心 ...
教会に「安全ではない人」がいたら?(後編)
前回、牧会で「安全ではない人」に対応するにあたっての最終的なゴールは、歪んで形成されてしまったその人の霊が、キリストのかたちに再形成されるのを助けることと考えるのがよいのではないか、とお話ししました。 ただし、本人には自覚がなく、そのように助けてほしいと ...
教会に「安全ではない人」がいたら?(前編)
昨年秋のこと、「『安全な人』と『安全ではない人』」(本誌二〇一二年六月号掲載)という私の文章をお読みくださったとある牧師先生から、ご質問のメールをいただいた。私はその文章で次のように書いた。 「残念なことだが、世の中には自己中心的な人がいる。つまり、未成 ...
反抗期? 自我確立期?
時々、「聖書には思春期や反抗期はないので、子どもの反抗を許してはいけない」という教えを教会で聞くことがある。しかし、実際のところ、どうなのだろうか。 まず、聖書に「思春期」「反抗期」ということばは確かにない(「更年期」も「PMS(月経前症候群)」もない) ...
契約書でひと騒動
私の本職は、英語のキリスト教書を日本語に翻訳することだが、ひょんなことから、しばらくの間、版権代理人としての仕事もすることになった。 例えば、日本の出版社がアメリカの出版社から出ている本を邦訳出版したいとする。その場合、版権代理人を通してその本の日本語版 ...
恵みの御座
しばらく前になるが、教会からある祈りのリクエストのメールが来た。 それは、うちの教会のある夫妻とその娘のために……、というものだった。この夫妻は、前年、中国の孤児院から一歳の女の子を養子縁組にした。中国に女の子を引き取りに行く前に、皆で彼らのために祈った ...
「恐れ」を恐れない
先日、テレビでファミリードラマ「フルハウス」の再放送を偶然見た。妻を若くして事故で亡くした男性が、男友達の助けを借りながら三人の娘たちを育てるという物語だ。今回見たのは、高校生になった長女が、以前のように何でも相談してくれなくなったことで父親が寂しがり、 ...
私も、失うときには、失うのだ
「全能の神がその方に、あなたがたをあわれませてくださるように。そしてもうひとりの兄弟とベニヤミンとをあなたがたに返してくださるように。私も、失うときには、失うのだ」(創世記43・14、太字著者)* * * 私はこの数年、「結果を支配したい思いを手 ...
あなたこそ私の神です
三週間ほど前、今後の私たち家族の生活に大きな影響を与えることになりそうな、ちょっとショッキングな知らせが入った。最初はキツネにつままれたようでピンとこなかったのだが、ゆっくり考えているうちに、「これはちょっと、大変なことになったよ!」と焦りがわいてきた。 ...
霊的形成
数年前、私の教会に「霊的形成牧師」という肩書きの牧師が就任した。聞き慣れない肩書きだが、信徒の霊的形成を促す働きをメインの仕事とする。 彼が就任したとき、私はちょうど『心の刷新を求めて』(ダラス・ウィラード著/あめんどう)という霊的形成に関する本を翻訳し ...
親心
二十一年前に長女が生まれて以来、父なる神の私たちに対する親心が、少しはわかるようになった。その後さらに三人の子どもが与えられ、一人ひとりに対する親心もさることながら、兄弟姉妹の相互関係を見て教えられる御父の親心にも、目が向くようになった。例えば長女と次女 ...
卒業パーティーのドレス
アメリカの高校には、年度末に「プロム」という行事がある。上級生とそのパートナーだけが参加できる、卒業ダンスパーティーのようなものだ。 女の子は華やかなドレス、男の子はタキシードを着て、馬子にも衣装とばかりにバッチリ決めて参加する。場所は大型体育館だったり ...
「安全な人」と「安全ではない人」
長女が大学に入学して半年あまり経ったころ、こんなことを分かち合ってくれた。別の大学に進学した友人から、電話やメールやスカイプがしょっちゅう入って、「友達ができない、寂しい」と訴えてくるのだそうだ。 最初は、新しい環境になれば寂しいときがあるのも当然だと思 ...