先週の木曜日にホノルル入りして、最初の三日間はJCFN25周年感謝カンファレンス(ホノコン)、次の三日間はJCFN理事会、そして次の三日間はま〜やと合流して休暇を楽しみました。

 ホノコンのメッセージは、開会メッセージが高橋秀典理事、翌日朝がホノルル日本語教会の関真士先生、晩がダグ・ウィテット理事、最終日朝が私、そして閉会メッセージが錦織学理事でした。(理事長の米内宏明先生はご用事でホノコンには参加できず…理事会からお出でになりました。)主事たちも4人がそれぞれに証をしてくださいました。

 ホノルルではたくさんの新しい出会い、そして嬉しい再会があり、本当に感謝でした。

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(理事会後、会場となったマキキ聖城教会をバックに)

 ホノコンでは、私はみんのことに関する証と、そこから話をつなげたメッセージをさせていただきました。(証とメッセージの内容はそのうちブログにアップするかもしれません。)また、日曜日には出席させていただいたホノルル日本語教会(関牧師)でも、礼拝後のサンデースクールの時間にみんに関する証をさせていただきました。
 
 5月末にはCCで、6月には南カリフォルニアでのStand Women女性カンファレンスで、そして今回のホノコンとホノルル教会で、4回にわたってみんと私と神様のストーリーをシェアする機会が与えられたことは、私にとって大きな祝福でした。みんについて語るときは、どうしても涙が出てしまいますが、それは必ずしも辛いことを思い出してしまったことによる痛々しい涙ではありません。もちろんみんがいなくなった寂しさや痛みによって泣けてしまう部分もありますが、それ以上に、みんと一緒に歩めた尊い日々への感謝、みんという勇敢で優しい娘があたえられたことへの感謝、そしてこの道のりをずっとともに歩んでくださっていた神様への感謝の涙でもあるのです。今回、美穂について話すことは、私にとって大きな慰めになっていることに気づきました。私には、もう美穂と新しい思い出を作ることができません。私に語れる美穂との最後の思い出は、もはや彼女の闘病のときのことしかないのです。闘病自体はとても辛いものでしたが、今となっては、闘病の日々は私にとって貴重な思い出です。何より、美穂はまだ生きていたし、神様がともにいてくださったからです。だから、美穂のことをお話しさせていただけるのは、私にとって喜びであり慰めになるようです。

 つい先日も、こんなことがありました。ホノルルでま〜やと買い物をしていたとき、店員さんがま〜やがつけていたネックレスを見て、「それ、素敵ですね」と声をかけてくれました。そのネックレスは、みんの遺灰の入ったネックレスだったので、私は、「それにはこの子の姉の遺灰が入っているのです。私たちはその子を四ヶ月前に亡くしました。このネックレスに目を留めてくださってありがとう」と言いました。店員さんは驚いて困ったような顔をしていましたが、私にとっては、みんのことを話せるのは、たとえわずかなことでも嬉しいのです。
 
 そんな話をある友人にシェアしたら、その人はこのようにおっしゃってくださいました。

  「私たちがストーリーを語るということは、ただ情報を他人にシェアするだけではなく、その物語の中に入っていって、それを追体験すると言うことだと思います(聖書をナラティヴとして読むということはまさにそういう意味があります)。たとえ辛い闘病と死の物語(もちろんそれは同時に神様の愛と恵みの物語でもあるでしょうが)であっても、そのナラティヴを語るたびに佐知さんは美穂さんと神様とともに過ごしたあの日々に帰り、それをもう一度生きて、美穂さんとのつながりを確認することができるということかもしれません。そしてそのナラティヴが、佐知さんのアイデンティティの一部になっていくということかもしれませんね。」

 ああ、本当にそうだなぁと思いました。そして、私が私のストーリーを語ると、他の方たちもご自分のストーリーを語ってくださるのです。南カリフォルニアでも、ホノルルでもそうでした。「喪失体験」「痛み・試練」という共通項のもとで、 このわずか一ヶ月足らずのうちに何人もの初対面の女性たちと抱き合い、手を取り合い、ともに涙を流し、またともに声をあげて笑い合いました。私は何の気のきいたことも言えないし、ましてや助言や答えになるような賢明なことは言えません。ただ、シェアしていただくストーリーを、大切に私の手のひらに乗せて、主の前に抱きつつ聞かせていただくだけです。それらのストーリーは、語ってくださる方々にとって大切なものであり、それらのお話を分かち合っていただけるのは私にとって光栄なことです。語ってくださるご本人が気付いているときはもちろん、気付いていないときでも、ひとつひとつがその方々の魂のholy groundであり、ひとつひとつのストーリーの中に主のご臨在があります。ですから私は、履物を脱いでその前に立たせていただき、膝をかがめてそのストーリーをともに抱かせていただくのです。

 南カリフォルニアで出会った女性のみなさん、またホノルルで出会ったみなさん、みなさんの大切なストーリーをシェアしてくださって本当にどうもありがとうございます。 私はみなさんのそれぞれのストーリーの中に主を見ました。恵みと憐れみと愛に満ちた、聖なる主を見ました。そのお方が、これからもどんなときでもみなさんとともにいてくださり、日々さまざまな出来事を通してみなさんに触れてくださり、みなさんを栄光から栄光へと主と同じ姿にトランスフォームし続けていってくださいますように。

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 明日はホノルルを後にして、日本に向かいます。今回は2週間だけの滞在で、家族を中心としたプライベートなときとなるので、おそらくほとんどのみなさんにはお会いできないと思いますが、また次の機会によろしくお願いします!