顕現節最後の日曜日、「主の変容の日曜日」と呼ばれる日。レクショナリーの福音書の箇所はマタイ17章1−9節。

 イエスはペテロとヤコブとヨハネの3人を連れて、ピリポ・カイザリヤ近郊の「高い山」に登られた。すると弟子たちの見ている前で、その御姿が変わり、顔は太陽のように、衣は光のように、白く輝きだした。それだけでも十分びっくりなのに、そこにモーセとエリヤが現れ、イエスと語り合う。

 びっくりしたのか、感動したのか、モーセたちと語り合っているイエスに向かって、ペテロは幕屋を三つ造りますと言う。イエスと、モーセと、エリヤのために。すると不思議な光輝く雲が現れ、彼らを覆い、雲の中から神の御声が響く。

 「これはわたしの愛する子。わたしはこれを喜ぶ。彼の言うことを聞け」

 イエスはモーセやエリヤと何を語り合っていたのだろうか。ルカの福音書によると、「イエスがエルサレムで遂げようとしておられるご最期についていっしょに話していた」らしい。

 神の栄光で輝いたイエスは、この後、十字架への道を歩まれることになる。栄光から十字架へ。人間的に考えれば、大転落だ。しかし十字架の苦難を通られる前に、御父の「これはわたしの愛する子。わたしはこれを喜ぶ」という声を聴いたイエスは、どれだけ励まされたことだろうか。

 そして、御父は私たちにも語られる。「彼の言うことを聞け。」

 栄光から十字架への道を通られ、さらに十字架を通って栄光へ入られたイエス。そのお方の言うことを聞け、と。

 そしてイエスは私たちに触れて、こう言われる。「起きなさい。恐れることはない。」

 Listen to Him.
 Be raised.
 Do not be afraid.

 どんな試練の中を通るときも、この変容のイエスの栄光のお姿と、そこから十字架を通って再び栄光に入られたイエスのことを、心に覚えていることができますように。 

Listen to Him.
Be raised.
Do not be afraid.

TRANFUGIRATION