山火事の多いカリフォルニアで、史上最悪の被害と言われている「キャンプ・ファイヤー」(火事の発生した場所がキャンプクリークロードという場所だったため、そう呼ばれている)。パラダイスという名の町では死者60人以上、消息不明者600人以上、消失した建造物(家屋を含む)11000棟以上… この町に20以上ある教会のうち、10以上の教会が燃え落ちたそうだ。

 クリスチャニティー・トゥデイ誌の記事に、パラダイス市の教会のひとつ、パラダイス・アライアンス教会の牧師さんのインタビューが出ていた。 避難してから1週間、自宅も焼失し、教会のスタッフも21人のうち18人が自宅焼失。教会員たちは今どこに避難しているのか、連絡のつかない人も多数。この混乱の様子は、東日本大震災のときを彷彿させる…

-Paradise Fire Burned Most Church Buildings, But ‘the Church Is Still Alive’


 この牧師さんのインタビューの中で、特に印象に残った箇所があったので、ここに書き留めておきたい。今回のことだけでなく、あらゆる痛み、喪失にかかわると思ったので…  


  被災されている全ての方々、消火活動や支援活動にあたっておられる全ての方々の上に、そしてご自身も被災しながらも教会員そしてコミュニティーの人たちのために尽力しておられるリーダーの方たちに、神様の守りがありますように。
 

What’s the message that you want your congregation to hear right now?

今、あなたの教会の会衆に伝えたいメッセージは何ですか? 

I would tell them to grieve well. This Sunday, I told them we serve a God who understands the “ands.” We can love him and still be mad at him. We can have faith and still question him. We looked at Psalm 88, where he declares, “God I know that you’re God and you can save me,” but the whole rest of the psalm, he blames God, he questions God, he’s scared, he’s raw with his emotions. I said, “This is our psalm right now.”

十分に悲しんでくださいと伝えたいと思います。この日曜日、私は彼らに、「私たちの仕える神は、"and(同時に)" を理解なさる神です」と言いました。私たちは神を愛すると同時に、なおも神に腹を立てることができます。信仰を持つと同時に、疑問を持つこともできます。私たちは詩篇88篇を見ました。そこで詩篇の著者は「神よ、あなたが神であること、そして私を助けることのできるお方であると、私は知っています」と宣言します。しかし、同じ詩篇の残り全体では、彼は神を非難し、神に疑問をぶつけ、神をおそれ、生々しい感情でいっぱいです。私は会衆に言いました。「これは今の私たちの詩篇です」と。

That was the hardest message I had to deliver because we found out confirmation that we had lost our home, and we didn’t grab a whole lot. … God’s been faithful with helping me take it one step at a time. I need to grieve well with my family, then I need to grieve well for myself, then with our church, and then with our community.

これほどまでに、語るのが難しいと思ったメッセージはありませんでした。 なぜなら、私たちの家も失われたことが確認されたところだったからです。しかも私たちは、ほとんど何も持ってくることができませんでした。…神は、私が一歩ずつ踏み出せるようにずっと助けてくださっています。私は、自分の家族とともに十分に嘆き悲しむ必要があります。それから、自分自身のためにも十分に嘆き悲しまなくてはなりません。それから教会とともに嘆き悲しみ、さらに私たちのコミュニティーとともに嘆き悲しむ必要があります。 



 これは、燃え盛る火の中を幼い子供を連れて、車で避難しているお父さんです。奥さんは赤ん坊を連れてもう一台の車で逃げ、お父さんは3歳の子供を連れてその後に続いているところだそうです。
 
 緊張して喋り続ける娘に落ち着いて対応し、途中で歌を歌ったりしながら安心させてあげている様子に感嘆します。私だったらナーバスになって「今、必死で運転してるんだから、黙ってて!」と叫んでしまうかもしれません。でもそんなことをしたら、子供はますます怯えるでしょう。道路の左右には火の手があがり、煙で視界が悪い上に、あちこちに止まっている車があって運転も危ない中、冷静さを失わずに切り抜けたこのお父さんに敬意を表します。