今週の日曜日の午後から火曜日の午後にかけて、トランスフォーミングセンターのリトリート(全部で9回のうちの2回目)に行ってきた。
今日は、リトリートの前後のケンとのことの記録を。

私のリトリートに先駆け、夫は恩師の引退記念シンポジウムに参加するため、金曜日からニュージャージーに出かけていた。ついでにボストンのま〜やのところにも寄りたいと(「ついでに」寄れるような距離ではないのだけど……多分5時間くらいの運転?)、車ででかけていった。ま〜やは、「パパが車で来るなら、ママの手作りのご飯持ってきてほしいなぁ」と言うので、何品かま〜やの好物を作って冷凍して、アイスボックスに入れて持っていってもらった。

夫が車を使い、ケンもケンの車を使うので、私がリトリートに行くときの車は、夫がうちの近所でレンタカーを手配しておいてくれた。夫は、昼過ぎにピックアップに行くように、と言っていたので、昼過ぎにレンタカー屋に行ったら、なんとオフィスがすでに閉まっていた! 土曜日は昼で営業時間が終わり、日曜日は一日閉まっている。どうするのよ〜、と慌てつつ、リトリート会場はうちから1時間半のところにあるので、日曜日は午後からケンの車を借りて、いったん夜中に帰宅し、月曜日は朝一でレンタカーをピックアップしてもう一度リトリート会場に向かえばいいか、と頭の中で考えた。

ケンに、事情を話すと、夜中に帰ってくるなんて大変だから、ずっと使っていいよ、と。優しい!(泣)ケンは友達からライドをもらうから、ということで、ケンの車を貸してもらえることになった。こういうときに、嫌がらずにすぐに「使っていいよ」と言ってくれたケンの優しさが嬉しかった。

土曜日の晩は、ケンは第一志望の大学に願書を出すために、最後の仕上げをした。提出する前にママも一通り確認して、というので、エラーがないか二人で願書全体に目を通した。

Siblings(兄弟姉妹)の欄には、エミ、みん、ま〜やの名前が並んでいた。ただ、みんの年齢が24歳になっていて、「これは違うんじゃない?」と言うと、生年月日を書く欄はあったけど、すでに死亡していることは記入できなくて、勝手に24歳になって出てきた、と。困った。かといって、みんの名前を削りたくはない。たとえすでに召されていても、ケンの姉であるには違いないのだから。結局、願書の最後の備考欄に、みんはすでに死亡している旨を記入した。

アメリカの大学入試では、願書と一緒に提出する「エッセイ」がかなり重要視される。ここに至るまで、ケンは私にエッセイを見せてくれなかったのに、いざ提出となってちょっと緊張したのか、読んでもいいと言ってくれた。(大学側も、書いたエッセイは提出前に学校の先生や家族などに読んでもらうことを奨励している。) 初稿の段階ではかなり苦戦していたらしいのだけれど、この時点ではかなりよくなっていた。それでもいくつか文法のおかしい部分などを指摘し、修正。

エッセイは、「共通願書(Common Application)」と呼ばれる、ほとんどの大学に共通して用いられる願書に添付する長めのエッセイと、各大学が独自に要求する短めの複数のエッセイがある。短いエッセイの一つに、「もしもう少し時間があったら、何をしたいですか?」というお題があり、ケンが書いていたのは、「もっと家族と時間を過ごしたい」だった。「姉たちが帰省したときにもっとゆっくり何かしたり、両親とももっと一緒に時間を過ごしたい」と。アメリカの高校生って、活動がたくさんありすぎて、みんな超多忙なのだ。朝は7時前に家を出て、帰りは9時ごろというのも珍しくない。もっと遅い日もある。実際、私もふだんはケンとゆっくり話しをする時間がなかなかない。話しどころか、顔もあんまり見る暇がないかも。ケンのほうも同じように感じていて、そして時間があればもっと私たちと一緒に過ごしたいと思ってくれているのがわかり、とても嬉しかった。

この晩は、ケンといろいろおしゃべりをすることもできて、母はハッピーでした。(笑)

さて、親が留守になるというときに限って、学校で不穏なトラブルがあった。ケンたちの高校に対して、「月曜日に銃で襲う」という投稿をSNSにした人がいたらしく、ニュースにもなっていた。幸い、土曜日の晩には容疑者が特定され、逮捕された。ところが日曜日の早朝に、別の人による「警察が捕まえたのは違う人物だ。月曜日は予定通り襲撃する」という投稿が。結局、その二つ目の投稿の容疑者もすぐに特定され、月曜日に襲撃される可能性はまずないため、通常通りに学校は開けます、という通知が校長先生からきたので、私もいたずらに心を騒がさずに済んだのは感謝だった。ただ、月曜日は校内に警察がたくさんいたらしい。

火曜日の午後、リトリートを終えて、夕方4時にケンを高校でピックアップ。火曜日は、ケンはシカゴでCYSO(Chicago Youth Symphonic Orchestra)のジャズバンドの練習がある。普段は電車で行くのに、昨日は「疲れていて寝て行きたいから、車で送って」と言うので、そうしてあげた。やっぱり二晩一人で過ごして、緊張したのかな? お母さんに甘えたいモードになってたのかな?
 
ジャズバンドの練習中は、親用のラウンジで本を読みながら過ごした。ジャズバンドのほかに、市民クワイヤだろうか、メサイヤの合唱の練習をしているグループがいた。ラウンジの隣の部屋では、「斧投げ」のイベントが行われていて、ドスッ、ドスッという斧を投げる音、そして歓声と拍手が聞こえてきた。「ハレルヤ!ハレルヤ!」というメサイヤの合唱と、斧投げのドスッ、ドスッが交互に聞こえ、その合間にケンたちのジャズバンドの演奏がかすかに聞こえてくるという、不思議な時間だった。(笑)

練習が8時40分に終わったあとは、近くのお寿司のテイクアウトのお店で、ケンにちらし寿司とウーロン茶を買ってあげた。ケンは嬉しそうだったよ。

リトリートそのものもとても幸いな時間だったけれど、その前後のケンとの時間が祝されたのも、とても感謝でした。

 
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