たまには翻訳者っぽい話を。

 ずっと以前、私が翻訳し始めて間もなくのころ、あるプロの翻訳者の方が書いた文章を読んでいたら、よく誤訳されるフレーズとして、

part of ~

 というのが挙げられていて、ほう?と思ったことがあった。

 「a part of ~」であれば、「〜の一部分」と訳すのでまず間違いないけれど、「part of ~」の場合のpartは、「(重要な)要素」「(不可欠な・本質的な)部分」(an essential or integral attribute or quality)であることが多いので、それを「〜の一部分」と訳してしまうと誤りだとあり、なるほど〜と思ったものだった。

 そう思って気をつけていると、翻訳しているとき、 「part of ~」という言い回しはかなりよく出てくる。そういう場合は、それが単なる「一部分」ではなく、切り離し不可な部分であることがわかるように訳す必要がある。(もちろん、文脈によっては「一部分」と訳してもかまわない場合もあるだろうけれど。)

 たとえば、「Making mistakes is part of being a human」という文章の場合、「過ちを犯すのは人間であることの一部」と訳したとしてもそれほど違和感はないけれど、でも実際には、「人間とは過ちを犯すものだ」「人間である以上過ちを犯すことはさけられない」といったニュアンスがあるので、やはりそれがわかるような訳がいいのでしょうね。

 プロの翻訳者にとっては当たり前の話だろうけど… (汗)

 万年素人翻訳者のつぶやきでした… 

追記(1/2/17 )
その後、いろいろ気になって調べてみたのですが、part of とa part ofの違いは、切り離し可能な複数の部分によって成り立っている全体の一つ(a part of)か、全体の中に統合されていて切り離し不可である部分(part of) ということでもあり、そう思うと、日本語では「一部」と訳してもそれほど違和感ない場合が多いかもしれません。ともあれ、そのあたりのことは意識しながら訳すようにしたいとは思います。