9月に、日本からボストンのま~やとニュージャージーのエミ宛に小包を送った。食べ物とか日本の可愛い小物とか。特にま~やには、寮の部屋で食べられるような、電子レンジで温めるタイプの一食分にパックされた御飯やインスタントのお味噌汁などもいれた。お湯を注げばいいだけのチキンラーメンやカップヌードルも入れた。結構な重量になったけれど、船便では時間がかかり過ぎるので(2ヶ月はざら)、SAL便で送った。10日もあれば到着するかと思いきや、待てど暮らせど到着しない。2週間以上たってからようやくエミの小包は届いたものの、ま~や宛のは届かない。追跡番号で調べてみると、日本の国際郵便局から発送されたところまでは記録があったが、その先が不明だった。


 多分税関で引っかかっているのだろう。いちおう、日本の郵便局に電話をして、調べてもらうようリクエストを出した。


 せっかくま~やが喜びそうなものをたくさん詰めたのに、なくなってしまったら悲しいとは思ったけれど、不思議と心は騒がず、絶対にいずれ届くという確信があった。現実には、小包が途中でなくなってしまうこともあるのだけれど、なぜかあまり心配しなかった。ま~やも私に何度か「どうなってるかわかる?」ときいてきたけれど、あの子もグズグズ言うタイプではないので、それほど心配せずに気長に待ってくれていたようだった。


 そして、今日、ついにま~やから「小包が届いた!」というメッセージが入った。良かった! 6週間かかったよ! 箱は開けられた形跡があり、チキンラーメンが没収されたらしかった。エミの小包に入れたのは引っかからなかったのに。チキンラーメンがだめだったとは。レトルトのカレーは危ないかも、と思っていれなかったのだけれど。 ま~やも、不平を言わないで、おとなしく待っててくれてありがとね。ま~やは、グズグズ言っても仕方のないことでは、絶対グズグズ言わないんだよね。ケンスケもそうだけど。


 それにしても、今回のことで驚いたのは、私が少しも苛立たなかったこと。以前の私なら、こういうとき、イライラしたり、心配になったり、怒ったりしていただろうと思うのだけれど、今回は全然そういうことがなかった。神様が私の心を守ってくださっていたのだろう。感謝。


 


 話が変わって、高校に入ってからのケンの成長ぶりが目覚ましい。朝は起こさなくても自分で起きるし(ギリギリの時間だけど)、宿題は言われなくてもちゃんとやってるし、サックスの練習も毎日熱心にしているし。特に今は、ジャズバンドのオーディションが来週あるそうで、毎日2時間ずつくらい練習している。中学生のころは、まったく練習しなかったのに!


 そうそう、こんなこともあった。先週、私はま~やの大学のParent weekendというものに参加するためにボストンに行ったのだけれど、私が留守で、パパも仕事に行ってまだ家に帰ってなかったとき、ケンはスクールバスに乗り損なってしまい、帰宅するための足がなくなってしまったことがあったらしい。それで、車で15分かかる道のりを、1時間かけて歩いて帰宅したのだそうだ。


 私がその話をエミにすると、エミは「ケンは前にも何度か歩いて帰ったことがあるんだよ。ママが日本に行ってる間に。初めて歩いて帰ってきたときは、途中で道に迷って、3時間かかったんだって」と教えてくれた。もう、びっくり。そんな話、初耳だった。夫にそのことを言うと、彼も「知らなかった!」と。みんに聞くと、彼女も知らなかったらしい。それなのに、なぜかNJにいるエミが知っているとは… エミはケンから聞いたらしい。さすが長女、弟に信頼されているのか。


 ケンが道に迷ったとき、途中で日が暮れてきて、それで「あっちが西か!」と分かり、そこから方角を割り出して家までたどり着いたのだそうだ。親の知らないところでそんなことがあったとは… 事故にあったり誘拐されたりしないでよかった。いや、冗談抜きで、今の世の中、わからないから…


 ケンは、そういうことがあっても飄々としているからおもしろい。特にこの数ヶ月は、みんの抗がん治療で私が病院に行って留守になることが多くて、しょっちゅう朝が早かったり、夕方が遅かったりしていたのだけれど、そんなときも、ケンは協力的なので感謝している。


 久しぶりに、ま~やとケンの話でした。