家族全員で参加するはずだった末の妹の結婚式だったが、出発直前になり、みんがやはり具合が悪いので行けないと言い出した。抗がん治療の副作用で具合の悪い子を無理に連れていくわけにはいかないし、一人でお留守番させることもできないので、みんが行けない場合には、私も残る覚悟は最初から決めてあった。


 とは言え、化学療法のあった週なので今は具合が悪くても、土曜日には落ち着くだろうと思ったし、せっかく日本からおじいちゃんも来るのだから、何とか連れて行きたいと思った。そこで翌朝まで待ってみようかと提案したものの、こんなに気分が悪いのに12時間の車での移動に耐えられるかわからないと言う。もっともなことではある。では二人で留守番するか…と思っていたら、みんのボーイフレンドのご家族が、家族の結婚式に出られないのは残念でしょう、留守の間は私たちがみんの面倒を見ますよと申し出てくださった。みんも、マイケルのところなら安心して留守番できるだろう。もともと、私たちが出かける間はウィルソンの面倒を見てもらうことになっていて、すでにウィルソンはマイケルの家に行っていたのだが、お言葉に甘えてみんもお世話になることにした。この決断に至るまで、多くの方が私たちのために祈ってくださっていた。


 平安のうちにみんとウィルソンをマイケルのうちに預けて、シカゴを出発。もう夜の11時近くになっていた。だいたい12~13時間の運転の予定だったが、いざ出発してみると、工事中の箇所が多く、思ったより時間がかかった。結局マンハッタンに到着したのは、翌日の午後2時過ぎだった。


 まずNYUの近くのカフェ(みんのお勧めのお店)で遅いランチを取り、それからタイムズスクエア近くのホテルにチェックイン。その頃、ちょうど錦織学先生も用事で近くに来ておられることがFacebookを通じて分かり、落ち合って、短い間だったけれど私、夫、先生の三人でお話をすることができた。最後には先生にお祈りもしていただき、とても感謝だった。


 そのあとは、妹のアパートに親戚が集まるはずだったが、彼女がちょっと体調を崩していたため、急遽場所を変更して、近くのレストランに集まった。父と父の奥さん、もう一人の妹とその夫、父の妹(私の伯母)とその娘(私の従姉)、そして私たち家族の10名。お店はほぼ貸し切り状態で、少しもニューヨークという感じがせず、渋谷かどこかで集まっているみたいだった。


 みんな日本から到着したばかりだったので、翌日に備えてその晩は食後はすぐに解散。私たちは地下鉄でホテルに戻り、即就寝。


 翌日は、午後3時前に会場に集合。場所は、メトロポリタン美術館の向かい側にある私立の女子校で、週末は結婚式などの会場として貸し出しているというPratt Mansionsというところ。とても風情のある素敵な会場だった。


 そこのWiFiは学校のためのもので、結婚式のゲストにはオープンになっていなかったのだけれど、私はFacetimeを使ってみんに挙式の様子を見せてあげたかったので、管理者の人に事情を話してWiFiにつながせていただいた。おかげで、みんはシカゴにいながらにして、リアルタイムで式の様子を観ることができた。テクノロジー、すごい! おじいちゃんたちも、みんの顔を見ることができてとても喜んでいた。


 式もレセプションもとても良かった。新郎新婦は17歳の歳の差があるのだけれど、それをほとんど感じさせず、本当にお似合いの二人。(新郎は、ぼぼるパパの中学高校の後輩に当たるので、ぼぼるパパとも話が合う。)お互いにポジティブに影響し合っている感じが、とても素晴らしいと思った。これからも、ずっとお幸せに…<3


 レセプションでは、エミとイーサンがいくつかラブソングを演奏してくれた。イーサンの伴奏で、エミの歌。この二人もまた、本当に素敵なカップル。(親ばか)



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 帰り際、義理の弟のDくんが、「イーサンはほんっとに良いやつですね!」と言ってくれて、とっても嬉しかった。^^ エミもイーサンの家族に可愛がってもらっているし、将来が楽しみです。おじいちゃんにイーサンに会ってもらえたのも良かった。


 レセプションのクライマックスでは、新郎新婦のそれぞれのお父さんからのスピーチ。新婦のお父さん(つまり私の父でもあるがw)のスピーチは、最初は新婦の幼いころのエピソードなどを披露して、それらしかったのだけれど、途中からだんだん学際色が強くなり、社会科学者の名前が出てきたり、人工知能がどうのとか、現代の社会分析のようになってきたりとか、これは学会の発表か?と、しばし娘たちをあせらせたものの(笑)、最後には、「~というような社会で、二人はこれから家庭を築いていくのだから…」と、ああここに着地するのね、というところに落ち着いて一安心。お父さんらしいスピーチでした。そして最後の新婦からのお父さんへのメッセージも、とても心に触れる素敵なものでした。


 下の二人の妹たちは私とは異母姉妹で、日本とアメリカに離れていたので一緒に暮らしたことはないけれど、二人が3歳と8歳だったときから折りに触れて交流を続けてきたので、妹の晴れの場所に参列することができて本当に良かった。心から感謝。


 そして今回の旅の間何度も思ったのは、みんも一緒だったらどれほど良かったかという一方で、もしも彼女が来ていたら、やはり彼女にとっては負担の多い旅行だったろうから、家で休んでいて良かった、ということだった。しかも、ま~やが風邪気味で終始咳をしていたため、ま~やと同じ車で合計25時間も一緒にいたら、危険だったかもしれない。今のみんは、抗がん治療のせいで免疫が落ちており、風邪を引いても命とりになる(?)かもしれないらしいので…


 結果的には、多くの方たちが祈っていてくださったように、最善のアレンジメントになったのだと思う。本当に感謝。みんは、今では吐き気も落ち着いてきて、わりと普通にしている。治療のタイミングと結婚式の日程がもう少しずれていれば良かったのかもしれないが、それでもわずか4日の間にNYまで行って帰ってくる旅はやはり今のみんにはきつかっただろう。直前になって、Facetimeで式を見せてあげるということを思いついて良かった。


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