「主よ、私の祈りに耳を傾けてください。あなたと共にいて、あなたの家に住み、私の全存在をあなたの現存で満たしてほしいという願いをかなえてください。


 でも、どれ一つとてあなたなしに不可能です。あなたが満たしてくださらなければすぐ、あなたから私を引き離す考えや心を乱す心配で頭がいっぱいになります。あなたへの想い、それが優れた霊的な想いであっても、あなたから出たものでなければ、ただの気晴らしと同じかもしれません。


 主よ、あなたについて考えたり神学的な思索や議論に魅了されたりすること、キリスト教霊性の歴史に熱中したり、祈りや黙想についての考察や着想に興奮したりすること、これらすべては、食物、財産、権力へのあくなき欲望にも似た貪欲の表れかもしれません。


 毎日くり返し悟らされていることは、あなただけが私に祈りを教え、私の心を静め、私を御前に置いてくださる方だということです。どんな書物も、どんな着想、概念、理論も、あなたご自身がそれらをあなたへの道としてくださらなければ、あなたのそばに引き寄せてくれません。


 ですから主よ、あなたの働き、心を開くことだけでもできますように。あなたが私のところに来られ、私の築いた壁のすべてを打ち破ってくださるまで、忍耐強く、目を覚まして待つことができますように。アーメン。 」


(ヘンリ・ナウエン 『主の憐れみを叫び求めて』太田和功一訳 あめんどう "A Cry For Mercy"より)