シルベスター・スタローンの『ロッキー』シリーズの第6作め、『ロッキー・バルボア』を観て来た。本当は『The Nativity Story』を観るつもりだったんだけど、近所の映画館での今日の最終が午後5時で間にあわなかったので、かわりにもう一つ、気になっていたこっちの方を観た。


 いやー、とっても良かったです。引退してフィラデルフィアでレストランを経営しているロッキー。妻エイドリアンを数年前に失い、まだ悲しみから立ち直れきれずにいた時、ふとしたきっかけでもう一度リングに上がる決意をする。そして現役チャンピオンと戦う… と言うと、「いかにも」「それで?」って感じですが、観る価値ありです。絶対日本でも公開になるだろうから、ネタバレにならないようこれ以上ストーリーそのものは説明しませんが、年老いていくという誰もが避けられない現実とどう立ち向かい、その中で「自分」を見失うことなくどうやって納得のいく人生を生き続けるのか、決して小難しくなく、わざとらしくなく、さらりと、だけどどっしりと、心に迫る映画です。


 シルベスター・スタローンって実年齢がもう60歳らしいけど、それでもトレーニングシーンは30年前と変わらず、フィラデルフィア美術館の前の階段を駆け上ったり、ぶらさがっている肉の塊を打ったり、重量挙げをしたり、すごかったー。相変わらず筋肉隆々なんだけど、それでもその筋肉の上に脂肪の層がついているのもわかったり。でも、明らかに年老いつつあるその身体が、内側にある「ハート」の輝きを一層際立たせていたというか。


 身体にとっての「加齢」は、「老い」や「衰え」を意味するのかもしれないけれど、「心」にとっての「加齢」は、「知恵」と「謙遜」「包容力」そして「前進し続ける勇気」を意味するのかな… なんて思わされました。