ここ数日、毎日の翻訳のノルマがこなせないでいる。忙しいのと、あとちょっと集中力を欠いているかなという感じ。それに春になると、やっぱりケンスケを外に連れ出してあげたくなるので、昼間はなかなかパソコンの前に座れない。


 昨日もケンスケを連れて公園に行って、一緒にかくれんぼをした。何回か交互に隠れたり探したりしているうちにケンが「ママ、探すのが難しいところに隠れて」と言うので、滑り台の滑りおりるところにペッタリと横になって隠れた。案の定ケンスケには難しかったのか、いつまでたっても見つけてくれない。おかしいな、と思ってちょっと首を持ち上げて様子を伺うと、ケンはいつの間にか、持って来ていた三輪車でその辺りを乗り回している。黙ってそのまま見ていると、今度はジャングルジムに登り、それからうんていにぶらさがったりして、一人でご機嫌で遊んでいる。あれあれ、かくれんぼはどうなっちゃったの? 滑り台にペッタリ横たわっているところなんか、誰かに見られたら恥ずかしいんだから、ちゃんとかくれんぼしてるんだとわかるように探してよ。しかもその滑り台はまっすぐのやつではなくて螺旋状のもの。螺旋状の滑り台に横たわっている大人なんて、傍から見たらどうしたって奇妙に違いない。ついにしびれをきらした私は起き上がって、そっとケンスケの側に近寄った。「ケンちゃん、もうママのこと探すのやめちゃったの?」と急に声をかけると、彼はビクッと身体を硬直させてから、慌てたように、「今から探しに行く所だったんだよ」などと言い訳をする。言い訳なんかするところが可愛いね。まぁそれだけの話なんだけど。平凡な日常です。


 今日はタウンゼント博士の秘書さんからある件でメールが来た。そしてやり取りのついでに時差ぼけの話で盛り上がった。私は今回は3週間もかかってしまったが、先生も苦労されたらしい。日本でも大変だったしね。


 先生は今執筆中の本の締め切り間近でお忙しいそうだ。今回の本はお一人で執筆のもの。クラウド博士と二人で執筆されるときは、どのようにするんですか?と3月にお会いしたとき、先生に聞いてみたことがあった。まず二人で顔を付き合わせて、本の構成と目次について徹底的に話し合うのだそうだ。この部分はとても大切なので、かなり時間をかけてこの作業をするとおっしゃっていた。それから出来上がった目次を見ながら二人がそれぞれどの章を担当するかを決める。「僕はこの章を書くよ」「じゃあ、僕はこっちの章を書こう」みたいな感じに、分担はわりとさらさらっと決まるらしい。クラウド博士とタウンゼント博士は大学院時代のルームメート同士だったそうで、もう随分長い付き合いになるはず。二人で共同するお仕事と、個々にやるお仕事のバランスも取れているようで、まさに健全な境界線を持っているお二人ならではのチームワークなのでしょうね。8月にはクラウド博士がシカゴ(ウィロークリーク)に来ることになっているので、その時にお目にかかれたらいいな。


 さて、もうひと頑張りしないと、今日のノルマも終わらなくなっちゃう。